「うちの子、字がきたなくて…。」
よく聞くお悩みです。
そうですか。字がきたない。
うーん、これじゃ正しい回答だとしても、読めませんね…。バツになっちゃいますね。。
とは言え、まあまあ、マスにはおさまっていますし、バランスも悪くはないです。
まあ、「雑」ですね。
なぜ雑なのか。書こうと思ったらきれいに書けますか?
書き直させてみた。それでもやっぱりぶかっこうかもしれないし、書けたとしてもものすごい疲労感かも。
「きれいな字を書く」
私はこれは本質ではないと思っています。
きれいな字が書けなくて、何か問題ありますか?そりゃ相手が読めなきゃ困りますよ。テストでもバツですよね。
でも、そうでなければ別に問題なくないですか?
汚いよりきれいな方がいい。
確かに。
ある小学校6年生の男の子。
めちゃくちゃ書くのが苦手です。
「おれ、書くの苦手なんだよ。」6年生にもなるとちゃんと自覚があります。
「だから授業中は眠ってるしかないの!」
え?そうじゃないだろ!
と思いますよね。うっかり口に出そうになります。
でも、この子をそうさせたのはなんですか?
ITがどんどん入ってきている現代、
小学生から学校でパソコンまたはiPadなどが一人に1台配られていますよね。
板書、なくなるか…。
すでにだいぶ減ったと思いますけどね。
「パソコンは打てるの?」
「もちろん打てるよ。ローマ字入力?当たり前でしょ。」
すらすら打っていました。
画面上で会話してみました。
この子にはこれが字を書くよりもずっと楽なんだろうな。。
まあ実際私たちもそうでうすよね。
字、書きますか?まあ、住所や名前くらいはよく書きますね。でも、文章って、ほとんど手書きじゃ書かないですよね。打つ方が早い人のほうが多いと思います。
そして今や音声入力も進化してますよ。
きれいな字を書くって、重要ですか?
と、ごちゃごちゃと前置きが長くなりましたが、何が言いたいかと申しますと
現代は「字を書く」ことの重要性が昔より減っているように感じるかもしれません。
ですが、「字が書けない」こと=すぐに問題があるとは限らない一方で、背景にある発達の課題や学びのつまずきに気づくための重要なサインにもなり得ます。
📝 1. 「字が書けない」こと自体が問題ではない
現代は、
- パソコンやタブレット
- 音声入力や読み上げ機能
といった支援技術が進んでいます。
したがって、「きれいな字を書くこと」そのものを人生の成功条件にする時代ではありません。
「字がきたない」=将来困る、とは限りません。
🔍 2. ただし、「書けない理由」に注目することが大切
・ノートに字が重なる
・行がずれる
・板書に時間がかかる
・姿勢が崩れる、手がすぐ疲れる
・「書くのがイヤ」と言う
こうした様子があるときは、
視覚機能(見る力)や身体の使い方、認知の力に課題がある可能性があります。
字は「脳」と「体」と「見る力」の協働作業です。
うまく書けない背景にある“小さな困りごと”を見過ごしてしまうと、
学習全体への苦手意識や自己否定感につながることもあります。
🌱 3. 本当に大事なのは、「表現する力」と「自信」
字を通して表現することは、「自分の考えを伝える手段」でもあります。
きれいに書けなくても構いませんが、自分の思いを伝えられない・学びに参加できない状態は、子どもにとって大きなストレスになります。
💬 結論:字がきれいかどうかではなく、「困っているかどうか」を見ること
書けないことが問題なのではなく、
書けないことで“学びや気持ちの表現”が妨げられているなら、
そこには支援のチャンスがあるということです。
もし「きれいに書けない」と困っているお子さんがいたら、
それは「ダメなこと」ではなく、
「どこで困っているのか?」に気づいて、応援していくきっかけにできます。
必要なのは、きれいな字ではなく、その子らしい学びと成長のサポートです。
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